イタリア・アメリカのロードバイクを比較 ｜自転車買取なら自転車買取専門店サイパラ

『イタリア・アメリカのロードバイクならどちらが高く買取してもらえますか？』

エントリーの方にお店などでよく聞かれる事ですが、イタリアンバイクとアメリカンバイクの違いをよく聞かれたりします。サイクルパラダイスが様々なロードバイクをお買取りし、並べている事が要因ですが、その違いは様々であり、捉え方によって非常に面白い側面も見えてきます。もちろん「良さ」というのは主観的なものである事が前提ですが、各国の自転車をお買取し、販売しているサイクルパラダイスのスタッフだからこそ見えてくる差というものもあります。特にご自身のロードバイクがイタリアンであって乗り換え検討していたり、これから購入検討しているロードバイクがキャノンデールだったりしたら、少し気になるところですね。

「アメリカンブランド/キャノンデール」

「イタリアンブランド/デローザ」

「イタリアンとアメリカンロードバイク」

現在のロードバイクのブランド世界地図（実際にそんな地図はありませんが）を見てみると、大きくわけてヨーロピアンバイク、アメリカンバイク、アジア系のバイクの3地域に分けるとわかりやすいかもしれませんね。ロードバイクに関してはヨーロッパ、特にイタリアは本場です。ロードバイクの長い歴史のなかで、その文化や伝統を考えるともっとも高い格式を持つと言ってもいいでしょう。対極的とも言えるのがアメリカンロードバイクです。アメリカのスポーツバイクの歴史も長いですが、アメリカ独自の歴史を刻んだのは、マウンテンバイクを生み出した事でしょう。現在ロードバイク業界でもその動向が注目される、トップブランドであるキャノンデールとスペシャライズドは、マウンテンバイクがメインのメーカーでした。伝統を重んじるヨーロピアンブランドとは違い、自由な発想と挑戦する姿勢で生まれたマウンテンバイクは、大きなバイクスポーツ文化となるに際して、アメリカのメーカーは独自の進化を歩みます。そういった独自の進化からアメリカンロードバイクが生まれたといっていいでしょう。

「お買取りの違い」

厳密に言えば各ブランドや各モデルによってかなり変わってきます。ですが全体的に言えば、アメリカとイタリアのロードバイクで言えば違いはあります。特にイタリアンバイクの大御所ブランドは、トップモデルであってもピュアレーシングの世界とは少し違い、プロチームへの供給を行っていないブランドも多くあります。そういったモデルは最新機材が良しとされる現在のロード市場にあって、イタリアンブランドとしての独特の価値があります。車体事体も高く数年前のモデルでも、それほど値下がりしないものもあります。そしてなにより日本では根強く本場イタリアンブランドの人気があります。そういった人気がイタリアンブランドの価値を支えています。アメリカンブランドはどうかと言えば、年式によって大きく左右されてしまう傾向は他のロードブランドと同じくあります。ただキャノンデールのキャドシリーズなど、根強く人気のモデルは少し古くなっても人気はあります。各モデル、ブランドともそれほどの違いはなくても、その時の人気状況によって大きく変わるのが現状です。

「自転車のデザイン」

現在のスポーツバイク市場の8割は台湾、中国製と言われています。それ故に車体作りの品質や精度は、イタリアやアメリカであっても大半の自転車は、特にミドルグレードまでのスポーツバイクは大差がなくなってきています。ですがどういったデザインにするか、そのデザインへ至る研究と開発、それを生産するための製造方法やノウハウは、それぞれのブランドの開発チームに委ねられます。これらはブランドごとのトップモデルに顕著に表れます。トップモデルはプロチームがいち早くレースで使用するので、最新スペックであり、新製品やプロトタイプの発表や実験の場でもあります。ここで磨き上げられた車体のノウハウが、早ければ次のラインアップに影響していきます。イタリアのマシンもアメリカのマシンも、台湾で作っていようとデザインにはそのブランド、その国のアイデンティティが込められています。

デザインの違い

イタリアとアメリカには多くの自転車メーカーが存在します。ですので今回は全体的な違いと、特に大手ブランドの違いについてお話しします。デザインといっても大きく分けるとジオメトリーや、チュービングデザインなど、マシンの性能に大きく直結する部分のデザインと、グラフィックなど装飾のデザインがあります。グラフィックの部分を見ると違いは明らかですね。イタリアンデザインは伝統とロードバイクという歴史、それでいながら芸術文化が根付くイタリアらしい高級感のあるデザインが多いです。アメリカは対照的に、レース性の強いデザインや、ポップカルチャー、ストリートカルチャーの影響を伺わせる、比較的に楽しげで自由なデザインが多いのが特徴です。これらは性能に大きく影響するフレームのデザインでも同じ違いがあり、イタリアは滑らかな曲線を非常に多用し、アメリカンブランドは、力強く、革新的なデザインを好む傾向にあります。ロードバイクにおいては、歴史が長いヨーロッパの文化的影響はどのブランドも同じですが、先に説明したマウンテンバイクから始まる自由なモノ作り精神は、アメリカンブランドの特徴と言ってもいいでしょう。

「性能の違い」

デザインの明らかな違いと別に、性能の違いはかなり難しいものがあります。とくに近年のロードバイクにおいては、空気抵抗やグラム単位の軽量化、細かな微振動に対する快適性など、明らかな違いというよりも、わずかな数値の差での勝負になっています。ですが、マシンの形状は先の説明にあるとおり、明らかに違います。これらはマシン特性に大きく影響しますが、それらはプロの選手であっても主観的な部分になってきます。現在ではどのマシンも、ある一定の基準を満たし、安全性には問題ありません。ヒルクライムを好む選手、スプリントを好む選手、ロングツーリングを好むライダーなど、それぞれの特性にあったラインナップが、イタリアのメーカーにも、アメリカのメーカーにもあります。先に述べたイタリアンブランドの独特の価値観とは逆に、アメリカンブランドは一時期のトレックの活躍もあり、開発競争が早くなりました。次の年、もしくはシーズンには昨年プロ選手が使っていた車体がラインナップされるほどです。そしてミドルクラス、エントリークラスへと、その技術はフィードバックされていきます。こうした流れは世界的なものですが、アメリカンブランドの大手はレース活動を主としているメーカーが多く、そういった意味では最新モデルへの最新技術の反映が速いとも言えるでしょう。